学校のSNS運用は「バズより◯◯」 バズを目指さない3つの理由
山田洋平
投稿日:2025.1.10
更新日:2025.1.27
株式会社with funの山田と申します。
【教育業界に特化したSNS運用】ブログ第50弾です。
学校SNSで集客したい。ブランディングしたい。
という広報ご担当者さまへ向けて、
学校SNSのプロとして、有料級の内容をお届けします。
前回記事は【Googleに怒られても、僕が超縦長のHPを作った理由】についてです。
まだ読んでない!という方はぜひこちらからお願いします。
▼前回記事リンク先
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バズは魅力的だけど、学校にとって本当に必要?
「SNSでバズれば問い合わせが増える」
「フォロワーが増えれば出願者も増える」
学校の広報活動を担当していると、こんな意見を耳にすることが多いのではないでしょうか。
確かに、SNSで話題になり、多くの人に学校の名前を知ってもらうことは一見、効果的に思えると思います。
しかし、僕はSNSが流行し始める前から「バズ」は学生募集においては必ずしも最適な手段ではないと話してきました。
いつもお話している内容ではありますが、2025年も果たして同じ見解なのか、学校のSNS運用における「バズ」をテーマに、それがなぜ無駄になりやすいのかを深掘りしていきます。
【理由1】アルゴリズムの変化で、そもそも数字が取りにくい
SNSのアルゴリズムは日々進化しています。特に、XやInstagramでは、フォロワー数が多くても投稿がすべてのフォロワーに届くわけではありません。タイムラインに表示される投稿は、SNSプラットフォームの独自のアルゴリズムによって選ばれるため、話題性の高い投稿でもターゲットとなる層に届きにくくなっています。
さらに、動画中心のTikTokやYouTubeでは、数秒以内に視聴者の関心を引けなければスキップされてしまいます。このように、SNS全体が「バズを狙う運用」よりも「継続的な価値提供」を重視する方向へとシフトしています。
学校の場合は様々な話題を提供することになるため、どうしても統一したテーマを投稿することができず、アルゴリズム上、不利になってしまうのです。
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【理由2】学校とインフルエンサーではビジネスモデルが違う
SNSでのバズを成功させているのは、多くの場合、個人のインフルエンサーや、商品やサービスを売る企業です。彼らのビジネスモデルは、注目を集めることで商品やサービスを短期間で売り切る「即時型」「低価格サービス」「オンライン決済可能」といった点があります。
それに対し学校では「10月の出願」「高価格」「入学時の一括納付」という、相反するビジネスモデルとなっています。
そうなると学校のSNSでの目的は、インフルエンサーのように短期間で成果を上げる必要はなく、むしろ安定した信頼の構築であり、長期的なブランド力の向上や、学生募集において顕在層の教育となるはずです。
この違いを無視してバズだけを追い求めると、短期的な成功に惑わされ、長期的な施策を見失うリスクがあると考えています。
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【理由3】4月にバズを起こしても、出願時期は10月である
バズの最も大きな課題は、その持続性の難しさにあります。一度バズを起こしたとしても、その効果が数カ月後まで持続することはほとんどありません。たとえば、4月に学校紹介の動画が話題になったとしても、出願が始まる10月にはすっかり忘れられてしまう可能性が高いのです。
(みなさまは先週バズった動画を覚えていますでしょうか…?)
さらに、記憶にとどめてもらうには定期的にバズを起こすことが重要ですが、これが非常に困難です。SNSのアルゴリズムの変化や競合の投稿量を考慮すると、毎月話題性のある投稿を作り続けるのは現実的ではありません。
話題性を追求した結果、毎日のプレッシャーに追われてしまうと、多くの方がSNSに疲弊してしまうのです。
継続的な施策が鍵!
学校のSNS運用で大切なのは、短期間での注目ではなく、継続的に価値ある情報を発信し、関係者との信頼を築くことだと考えています。
具体的には、
・在校生や卒業生のエピソードを通じた「リアルな魅力」の発信
・入学を検討している保護者や学生が抱く疑問への丁寧な回答
・学校生活や授業内容を紹介する「共感型」のコンテンツ作り
文章ではありきたりかもしれませんが、こうした地道な取り組みこそが「学校広報に求められていること」だと考えています。
『あの学校の卒業生の就職先は人気企業が多いよね』
『このプロジェクトを学びたいなら、あの学校だよね』
『いつもSNSの質問には丁寧に答えているよね』
いつも同じ投稿を継続すると、こうした「差につながる」と考えています。
繰り返しますが、SNSが即座に大きな数字を生むことはありません。しかし、そのブランディングが長期的にはターゲットとなる層との信頼関係を築き、安定した出願数の確保につながるはずです。
2025年の結論:学校にとってのSNS運用は「バズ」ではなく「信頼」
学校のSNS運用において、バズは確かに目を引く魅力的な戦術のように思えます。しかし、学校の特性や学生募集スケジュールを考慮すると、バズを追い求める施策は効率が悪く、持続可能性に乏しいものです。
一時的な話題性に振り回されるよりも、信頼を軸にした地道な情報発信に注力する方が、学校の魅力を安定的に伝え、長期的な成果を上げることができます。SNS運用について悩んでいる方がいれば、一度「バズではなく信頼を作る方法」という方向性で検討していただければと思います。
※最後に注釈ですが、
学校規模、目指す未来によってはSNSを外注すること、バズを求めることが最適となるケースももちろんあると考えています。絶対にバズを目指してはならない、という極論ではないことをご理解いただければ幸いです。
SNSについて
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それではまた次回。
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